動画講座・オンデマンド教材の販売規約の書き方

動画講座の規約は、何を、いつまで、どこで見られるかを契約の中身として決めるところから始まります。

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販売ページは「いつでも視聴できます」、規約は「登録から一定期間で提供義務なし」。返品は「不可」と書いたが、動画は段階的にしか公開しない。表示と契約の食い違いが、動画講座の紛争の入口です。

このページの要点

  • 視聴期間は起算点と満了日を決め、販売ページ・表記・規約で一致させる。「無期限」とは約束せず、提供終了時の予告と精算を書く。
  • 通信販売に法定のクーリング・オフはないが、申込みの撤回・解除に関する事項の表示は必要(11条5号)。返品特約は広告と申込み画面に表示する(15条の3、施行規則44条)。
  • 買い切りと定額は、解約の期限・方法・解約後の視聴・価格改定を書き分ける。更新がある場合は確認画面にも条件を表示する。
  • アカウント共有・転載・録画の禁止は契約で上乗せして定め、違反時の措置は警告→停止→解除の順に、返金しない範囲を絞って書く。

結論:動画講座の規約は、「何を、いつまで、どこで見られるか」を契約の中身として決めるところから始まる

動画講座やオンデマンド教材の販売は、受講者が自分で申し込み、決済し、好きなときに視聴する形が中心です。講師が個別に対応する講座と違い、提供する中身は録画された動画やPDFで、申込み後の運用の多くは規約の定めだけで進みます。だからこそ、規約が曖昧だと、その曖昧さがそのまま紛争になります。「いつまで見られるのか」「サービスが終わったらどうなるのか」「家族に見せてよいのか」「返品できるのか」「更新はいつ止められるのか」。受講者が最初に抱く疑問は、この五つに集約されます。

動画講座の規約で検討の中心になるのは、視聴期間・提供の終了・返品の表示・買い切りと定額の書き分け・アカウントの貸与や共有の禁止・外部のプラットフォームを使うときの規約の重なり、の六点です。このページは、この六点を順に説明します。返金の精算の組み立てそのもの、とくに動画の対価をどう切り出すかは返金規定・中途解約の精算に、教材の著作権や違約金は教材の保護に譲り、ここでは「動画を売る規約に固有の点」に絞ります。

動画講座の販売の形と、規約で最初に決めること
販売の形典型規約で最初に決めること
買い切り(期間限定)購入から一定の期間だけ視聴できる単発の動画商品期間の起算点と満了日、満了後の扱い、期間の表示場所
買い切り(期間の定めなし)視聴の終わりを決めず、教材として渡し切る形「無期限」と約束しない書き方、サービス終了時の扱い
定額(サブスクリプション)月額・年額で動画を見放題にする会員制更新日、解約の期限と方法、解約後の視聴、価格改定
動画+個別サポートの併売動画は渡し切り、個別の相談やチャットは期間制動画部分と個別サポート部分の書き分け、返金の計算単位

同じ講座でも、販売ページごとに形が違うことがあります。規約は共通でも、販売ページには形ごとの条件を書きます。

視聴期間・視聴環境・提供の終了:契約の中身として書く

動画講座の「中身」は、動画そのものではなく、動画を視聴できる権利と環境です。受講者が購入するのは、決済後に動画へアクセスできる状態を、決められた期間、決められた方法で受けることです。そこで、規約には次の四つを書きます。

一つ目は、視聴できる期間とその起算点です。「会員登録完了日から6か月」「購入日から1年」「決済の確認日から14日間」など、起算日の取り方で満了日が変わります。たとえば、登録完了日から一定の期間が経過した後は提供を続ける義務を負わない、という書き方があります。この書き方は、期間の定めとしては方向が正しいものの、二つの点を直す必要があります。会員登録の日と、受講者が実際に代金を支払って視聴を始められる日がずれる講座では、起算点が受講者に不利にならないよう、決済の確認日や視聴が可能になった日にそろえること。そして、特定商取引法の表記や販売ページに書いた視聴期間と、規約の期間を一致させることです。通信販売では、役務の提供時期は期間または期限をもって表示することとされており(施行規則24条2号)、販売ページで「いつでも見られる」と書きながら規約で6か月とすると、表示と契約が食い違います。

二つ目は、「無期限」と約束しないことです。クラウドの配信サービスの仕様変更や終了、権利者との関係、運営者自身の事情など、動画を無期限に提供し続けられない事情は現実にあります。そこで、期間の定めがない買い切りの講座でも、「提供し続ける」と約束せず、サービスの提供を終了することがある旨と、その場合の予告の期間・未視聴期間の扱いを定めておきます。サービスを恒久的に終了するときは一定の期間前に通知し、受講者が購入した視聴期間のうち終了により視聴できなくなる部分は、返金または代替の提供で精算する形にする方法があります。「当社の判断で、事前の通知なく変更、中止、終了することがあり、損害に一切の責任を負わない」とだけ書く条項は、事業者の債務不履行による賠償責任を全部免除する条項として、消費者契約法8条1項1号により無効になる部分を含みます。

三つ目は、視聴環境です。動作環境の欄は、一定の動画やプログラムを扱う役務では、請求開示の方式を使っても省略できない表示事項です(特定商取引法11条6号、施行規則23条6号、25条)。対応するブラウザの種類、推奨する通信速度、スマートフォンでの視聴の可否、ダウンロードの可否を、表記と規約の両方に書きます。そのうえで、「動作環境を満たしていない場合に正常に受講できないことがある」と書くだけでは足りず、受講者側の環境が原因で視聴できないときの扱い(原因の切り分けの手伝い、返金の可否)を決めておくと、問合せへの返答が一定になります。

四つ目は、コンテンツの追加・差替え・削除です。動画を後から追加する講座では、追加分が購入者の視聴権に含まれるのかを書きます。反対に、動画を差し替え、削除する権利を事業者が持つ場合は、講座の主要な部分の削除が購入者の期待を損なうことがあるため、重要な変更は事前に通知し、購入者が望めば精算する、といった受け皿を置きます。

書き方の例(一般的な例) 視聴期間と提供の終了の条

視聴期間

出発点動画の教材等は、会員登録完了日より一定期間経過後は、提供を続ける義務を負わない
整えた書き方動画の視聴期間は、代金の決済を確認した日(動画が視聴できる状態になった日がこれより後のときは、その日)から6か月間とする。販売ページ及び特定商取引法に基づく表記に表示した期間と同じとする

起算点を代金の支払・視聴の開始と結びつけ、表示と契約を一致させるため

提供の終了

出発点事前の通知なく、変更、中止又は終了することがあり、これに起因する損害に当方は一切の責任を負わない
整えた書き方動画の提供を終了するときは、30日前までに通知する。終了により視聴できなくなる期間があるときは、その期間に対応する代金の返金、又は同等の動画の提供により精算する

責任の全部を免除する条項は消費者契約法8条1項1号で無効になるため。予告期間と精算の方法を書くことで、条項が実際に機能する

条文例動画の視聴期間と提供の終了(買い切りの例)

  1. 受講者は、代金の決済を当方が確認した日から(動画を視聴できる状態になった日がこれより後であるときは、その日から)、購入した動画を[6]か月間、本サービスのウェブサイト上で視聴することができます。
  2. 受講者は、当方が推奨する動作環境(購入前に販売ページ及び特定商取引法に基づく表記に表示します。)を整えたうえで視聴するものとします。受講者の環境が原因で視聴できない場合、当方は、原因の確認に協力します。
  3. 当方は、動画の追加、差替え又は削除をすることがあります。購入した動画の主要な部分を削除するときは、当方は、削除の30日前までに受講者に通知し、受講者の求めに応じて、前項の期間のうち削除により視聴できなくなる期間に対応する代金を返金します。
  4. 当方は、本サービスを終了するときは、終了の30日前までに受講者に通知します。終了により視聴できなくなる期間があるときは、当方は、当該期間に対応する代金を、受講者に返金します。

[ ]は販売する講座ごとに埋める箇所です。返金の計算の方法は、講座の構成に合わせて精算の条に書きます。

返品の表示:通信販売にクーリング・オフはない。しかし表示は要る

動画講座を自分で申し込む形で売る場合、通信販売にはあたっても、訪問販売や電話勧誘販売のような法定のクーリング・オフはありません。だからといって、「クーリング・オフは適用されません」「返金は一切いたしません」と書けば足りるわけではありません。通信販売では、申込みの撤回・解除に関する事項は、広告に必ず表示する事項です(法11条5号)。表記全体の書き方は特商法表記・最終確認画面・入金後の通知で説明しています。そのうえで、返品についての条文が二つの方向から働きます。

一つは、返品の権利を定める規定です。特定商取引法15条の3は、通信販売で商品または特定権利の販売条件を広告した販売業者に対し、購入者は商品の引渡しまたは権利の移転を受けた日から8日が経過するまでは、売買契約の申込みの撤回・解除を行える、と定めます。ただし、販売業者が撤回等についての特約(返品特約)を広告に表示していた場合は、この限りではありません。インターネットの場合は、広告に表示するだけでなく、顧客の画面で申込みとなる操作を行うための表示の中に、見やすい箇所に明瞭に読めるように表示することが必要です(法15条の3第1項ただし書、施行規則44条)。この規定の対象は、条文上、商品と特定権利の売買です。役務の提供契約は含まれません。

ここで動画の性質が問題になります。録画された動画データを渡す形は商品の売買に近く、決められた期間、視聴できる環境を提供する形は役務の提供に近いと考えられ、どちらに当たるかは、契約の実態によります。条文は、どちらに当たるかを一律に定めていません。そこで、どちらと位置づけるとしても同じ表示が要る形で書類を整えます。商品とみる場合は、返品特約を広告と申込み画面の両方に表示する(法15条の3、施行規則44条)。役務とみる場合も、解約・解除の条件は表示事項です(法11条5号、施行規則24条3号)。いずれの場合も、実際の取扱いと食い違う表示は、誇大広告等の禁止(法12条)の問題になり得ます。

返品・解約の表示を置く場所(インターネット販売の場合)

  1. 販売ページ価格の近くに「返品・解約に関する事項」の見出しを立てて表示する
  2. 特商法に基づく表記申込みの撤回・解除に関する事項を、返品特約を含めて書く(法11条5号)
  3. 申込み直前の確認画面分量・価格・支払・提供時期・申込期間・撤回解除に関する事項を表示する(法12条の6)
  4. 入金後の通知前払いの場合は、承諾する旨などを書面(承諾を得て電子メール)で通知する(法13条)

消費者庁の「通信販売における返品特約の表示についてのガイドライン」は、返品特約を、消費者が必ず確認する価格や電話番号の近くに表示すること、「返品に関する事項」などの標題で他の事項と区別すること、インターネットではパソコンの標準設定で12ポイント以上の文字にすることなどを例示しています。

表示の内容は、動画の渡し方に合わせて設計します。たとえば、「購入後の返品・返金は一切認めない」と書く動画商品で、動画が一定の日数にわたって段階的に配信される設計の場合を考えます。全部の動画が購入直後に視聴できるわけではないのに、全額を返さない理由を「すぐに視聴できる」ことに求めると、理由と設計が整合しません。整えるなら、「すでに配信した動画は返金しない、まだ配信していない分は未配信の日数に応じて返金する」という按分の形にします。動画を即時に全部公開する設計であれば返品不可の理由を示しやすく、段階的に公開する設計であれば未公開分の返金が筋になる、というのが実務上の考え方です。返金の割合の根拠は返金規定・中途解約の精算で説明している三つの条件(実態の裏づけ、契約前の書面での提示、全額が提供済みにならないこと)に沿って決めます。

もう一つの注意は、売り方です。販売ページで申し込ませる形のはずが、動画の購入の前にZoomの個別相談で購入を勧めている場合は、通信販売ではなく電話勧誘販売に当たり得ます。その場合は契約書面の交付と8日間のクーリング・オフが働き、通信販売としての「返品不可」の表示は成り立ちません。個別相談を挟むかどうかは、規約を書く前に確認します。判断の枠組みはZoom個別相談・無料セミナーと電話勧誘販売で説明しています。

買い切りとサブスク:解約と返金の書き分け

一つの規約に買い切りの講座と定額のサービスが同居することがあります。たとえば規約や特商法表記で、買い切り型は購入後の解約・返金ができない旨を、サブスクリプション型は解約申請後は次回の更新日以降の課金が発生しない旨を、それぞれ書き分ける例です。方向は正しいのですが、解約の条件を具体的にしないと、次の問合せに答えられません。

買い切りと定額の書き分け

買い切り定額(サブスクリプション)

支払

買い切り購入時に代金全額を前払い

定額(サブスクリプション)更新日ごとに自動で課金。更新の周期と金額を購入前に明示

解約

買い切り購入後の解約は、返品特約の範囲で定める。動画が視聴可能になった後の扱いを書く

定額(サブスクリプション)次回の更新日の何日前までに、どの方法で申請すれば更新されないかを書く。申請の方法は申込みと同程度に簡単にする

解約後の視聴

買い切り購入した期間の満了まで視聴できる

定額(サブスクリプション)すでに支払った期間の末日まで視聴できる(日割りの返金はしない旨を書く場合は、その旨を明示する)

価格の改定

買い切り原則として購入済みの代金に影響しない

定額(サブスクリプション)次回の更新から改定する場合は、事前の通知の方法と時期、改定に同意しない人の解約の機会を書く

表記・確認画面

買い切り価格・支払・提供時期・返品特約を表示

定額(サブスクリプション)加えて、2回以上継続して契約する必要があるときは、その旨と金額・契約期間その他の条件を表示する(施行規則23条7号)

定額の自動更新は、申込み時に更新の周期と金額が分からないまま契約したという行き違いが多い箇所です。申込み直前の確認画面(法12条の6)にも更新の条件を表示します。

定額の規約を変更するとき、特に価格や内容を改定するときは、民法548条の4(定型約款の変更)の手続に沿います。変更が相手方の一般の利益に適合するか、または契約をした目的に反せず変更の必要性や内容の相当性などに照らして合理的であることを前提に、効力発生時期を定め、変更する旨と変更後の内容、効力発生時期をインターネットの利用その他の適切な方法で周知します。合理性を理由とする変更は、効力発生時期までに周知しなければ効力を生じません。改定に同意しない人が更新前に解約できる機会を設けておくと、紛争を避けやすくなります。無料から有料への切替えなど、変更の手続を詳しく書いたものはオンラインサロン・有料会員制コミュニティの会員規約にあります。規約の変更条項の書き方は規約の条項Q&Aで説明しています。

アカウントの貸与・共有・ダウンロード・画面録画:禁止の書き方と違反時の措置

動画講座の最大の損失は、一人が購入したアカウントが複数人で使われること、動画が保存されて再配布されることです。規約には、アカウントの貸与・共有の禁止と、動画の複製・再配布の禁止を書きます。ここで押さえておきたいのは、法律上の著作権の保護と、契約上の禁止は別のものだという点です。著作権法30条1項は、個人的にまたは家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で使用すること(私的使用)を目的とするときは、一定の場合を除いて、使用する者が複製できると定めています。つまり、購入者が自分で見返すために録画することは、著作権法だけでは当然に侵害とされない場面があります。だからこそ、契約で「画面の録画・保存は、当方が認めた方法によるものを除き禁止する」と上乗せして定め、SNSに投稿するなどの公衆送信は著作権侵害になり得る行為として明示する、という二段の書き方になります。

動画講座の禁止事項を書くときの確認リスト

  • アカウントやパスワードの第三者への貸与、譲渡、共有、売買を禁止している(家族への共有を認めるかどうかを決めて書いている)
  • 視聴の画面を録画し、動画をダウンロードして保存することの扱いを書いている(当方が提供する方法による保存を除く、など)
  • SNS、動画サイト、グループチャット等への動画の転載・投稿・共有を禁止し、公衆送信にあたる行為として明示している
  • 他人に視聴させる行為(グループ視聴、第三者の同席)の扱いを書いている
  • 同時にログインできる端末数などの技術的な制限を使う場合は、その旨と、制限にかかったときの案内を書いている
  • 違反したときの措置の順番(警告、アカウントの停止、契約の解除)と、違反時の返金の扱いを書いている

違反したときの措置は、順番と範囲を書くことが重要です。たとえば規約に、「違反した場合は事前の通知なくアカウントを停止し、既に支払われた利用料金の返金義務を一切負わない」という条項があるとします。違反が重大なら返金しない取扱いは成り立ち得ますが、軽微な違反や疑いの段階で、一律に全額を返さないと定めると、消費者契約法10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)の問題が生じます。そこで、警告と是正の機会を与えること、停止や解除は重大な違反や是正がされない場合に限ること、返金しない範囲は違反による提供の終了に対応する部分に限ることを書く形にします。違約金や損害賠償の額を予定する場合の考え方は教材の保護に譲ります。

外部のプラットフォームで売るとき:規約の重なり

動画講座は、自社のサイトだけでなく、既存の会員サイトの機能、メンバーシップの機能、ショップの機能、講座を売買できるマーケットプレイスなど、外部のプラットフォームを使って売ることもあります。この場合、受講者から見ると、プラットフォームの規約と、講師の規約の二つが並ぶことになります。たとえば、外部のショップ機能の必須選択項目で規約への同意を取る形、メンバーシップの機能で教材とコンテンツを提供する形、講師が売主となる単品講座を並べるマーケットプレイスがあります。共通して確認するのは、次の四点です。

外部のプラットフォームで動画講座を売るときの確認点
確認点内容規約・表記での扱い
売主は誰か講師が売主か、プラットフォームが売主か(海外のプラットフォームを含む)売主に合わせて表記を作る。売主が別なら、自社の表記には他社が売る商品の価格を載せない
規約の優先関係プラットフォームの規約と自社の規約が食い違う場合どちらを優先するか、または適用範囲(決済・返金はプラットフォーム、講座の中身は自社)を分けて書く
規約への同意の取り方購入の手続の中に同意の項目があるか購入前に規約へのリンクと同意の項目を置く。プラットフォームの機能の制約で置けないときは、必須選択項目などで代替する(民法548条の2第1項2号)
返金と問合せの窓口返金の申請先、事業者の連絡先の表示受講者がどこに申請すればよいかを、表記と規約の両方に書く

プラットフォームごとに機能と規約が違うため、利用するサービスの規約で、売主の位置づけと返金の取扱いを確認することが前提です。

外部のプラットフォームを使うと、規約を自社の都合で自由に決められない場面があります。たとえば、プラットフォームの決済の仕様で返金の条件が決まっていたり、購入画面に事業者の氏名・住所を表示できなかったりします。その場合でも、特定商取引法の表示義務は販売業者(役務提供事業者)にあるので、表記は別のページで補い、請求開示の方式を使うなどして、表示事項を欠かさないようにします。外国の事業者が運営するプラットフォームを使うときの個人情報の記載は録画・コミュニティ・個人情報で説明しています。

書類づくりでの扱い:規約を書く前に確かめること

ヒヤリングの問いと理由 動画講座の規約を作る前に確かめること

  1. 動画は購入直後にすべて視聴できますか。それとも、日ごとや週ごとに公開しますか。

    返品特約の理由づけと、返金の計算単位(公開済み・未公開)を決めるためです。

  2. 視聴できる期間は、いつから、どこまでですか。期間の定めはありますか。

    起算点と満了日を、販売ページ・表記・規約で一致させるためです。

  3. 動画のほかに、個別のサポート(相談、チャット、添削)はありますか。

    動画部分と個別サポート部分を分け、返金の計算を書き分けるためです。

  4. 動画は、買い切りですか、定額ですか。更新があるなら、周期と金額はいくらですか。

    確認画面の表示と、解約の期限・方法を決めるためです。

  5. 申込みの前に、Zoomなどの個別相談を挟むことはありますか。

    通信販売か電話勧誘販売かを分け、返品の表示の可否を決めるためです。

  6. 自社のサイトで売りますか。外部のプラットフォームを使いますか。売主はどちらですか。

    表記を誰が作るか、規約の優先関係をどう書くかを決めるためです。

  7. アカウントの共有は、家族など一定の範囲で認めますか。

    禁止事項の範囲と、同時ログイン制限の要否を決めるためです。

起きがちなこと

よくあるご質問

動画講座は、購入後に返金しないと書いてもよいですか。

通信販売には法定のクーリング・オフはありませんが、申込みの撤回・解除に関する事項は表示が必要で(特定商取引法11条5号)、実際の取扱いと違う表示は誇大広告等の禁止(同法12条)の問題になり得ます。そのうえで、受講者の都合による返金を認めない取扱いにする場合は、動画の渡し方(即時にすべて視聴できるか、段階的に公開するか)と整合する理由が必要です。段階的に公開する設計では、未公開の分は按分で返金する形が筋になります。消費者契約法9条1項1号、10条も意識して設計します。

動画は「商品」ですか、「役務」ですか。返品特約の表示は必要ですか。

録画された動画データを渡す形は商品に、決められた期間の視聴環境を提供する形は役務に近く、契約の実態によります。商品の売買とみる場合は、返品特約を広告と申込み画面の両方に表示する必要があります(法15条の3第1項ただし書、施行規則44条)。役務とみる場合も、解約の条件は表示事項です(法11条5号、施行規則24条3号)。どちらに当たっても同じ表示が要る形に整えておくのが実務的です。

視聴期間は「無期限」と書いてよいですか。

おすすめしません。配信サービスの仕様変更や終了などで、動画を永続的に提供できない事情は現実にあります。期間の定めがない買い切りの講座でも、サービスを終了することがある旨と、終了の予告期間、視聴できなくなる期間の精算の方法を書きます。一定の期間前に通知し、返金または代替の提供で精算する形が考えられます。

アカウントを家族で共有されるのを止めたいのですが、どう書けばよいですか。

アカウントの貸与・共有の禁止と、動画の複製・転載・SNS等への投稿の禁止を規約に書き、画面録画や保存の扱いも決めます。著作権法30条1項は私的使用目的の複製を一定の範囲で認めているため、録画の禁止は契約で上乗せして定めます。違反時の措置は、警告、停止、解除の順に書き、返金しない範囲は重大な違反に限るなど、消費者契約法10条に配慮します。家族までの共有を認めるかどうかも、先に決めておきます。

外部のプラットフォームで動画講座を売るとき、規約はどうなりますか。

受講者にはプラットフォームの規約と自社の規約の両方が適用される形になりやすいので、売主が誰か、規約の優先関係、規約への同意の取り方、返金と問合せの窓口の四点を決めます。プラットフォームの機能の制約で購入の手続の中に同意の項目を置けない場合は、必須選択項目などで規約への同意を取り、特商法の表記は別のページで補います。

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本ページは一般的な情報提供です。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で確認しています(最終確認日:2026年10月22日)。裁判例は、判決日と要旨とともに紹介しています。参考: e-Gov法令検索 / 特定商取引法ガイド(消費者庁) / 個人情報保護委員会 / フリーランス法特設サイト(公正取引委員会)

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