誤解1「契約書に署名をもらっていれば、法定書面も満たしている」
受講契約書に受講者の署名(または同意ボタンのクリック)をもらっていれば、法的な手続きはそれで完了していると考えていませんか。実は、契約書への署名の有無と、法律が求める概要書面・契約書面の記載事項・様式・交付時期・交付手続を満たしているかは、まったく別の問題です。特定継続的役務提供に該当する契約では、契約前に交付する概要書面と、契約成立後すみやかに交付する契約書面とで、記載すべき事項やクーリング・オフの表示方法(赤枠・赤字等)がそれぞれ法律で定められています。1枚の契約書に受講者の署名欄を設けているだけでは、この2種類の書面をそれぞれ適式に交付したことにはなりません。受講者に「何を」「いつ」渡したのかを、書面ごとに区別して確認する必要があります。
誤解2「クーリング・オフの解除通知は、書面でなければ無効」
受講者から「メールで解約します」と連絡が来たとき、「クーリング・オフは書面でなければ無効なので、このメールは認められません」と対応したくなるかもしれません。しかし、クーリング・オフの通知は、書面(紙)だけでなく、電磁的記録(メール、フォーム送信など)でも有効に行うことができます。この通知を紙に限定して扱うと、法律上有効な解除の意思表示を事業者側が見落とし、かえってトラブルを長引かせることになりかねません。メールで通知を受けた場合は、無効だと決めつけず、通知の内容・送信日時・送信元・対象となる契約を確認し、原文やフォームの送信記録を保存しておくことが重要です。
誤解3「書面一式は全部自分で用意しなければいけない」
概要書面・契約書面・利用規約・特定商取引法上の表記など、必要な書類の数を聞くと、「全部自分で一から作らなければいれないのか」と身構える方が少なくありません。しかし、料金・提供期間・サービス内容など、事業の中身に関わる部分は事業者本人にしか決められませんが、それを法律が求める記載事項・様式に落とし込んだひな形の作成自体は、専門家に依頼することができます。事業内容の整理さえできていれば、書面化の作業そのものを一人で抱え込む必要はありません。
本ページは一般的な情報です。個別の契約への当てはめは、契約の実態に基づく確認が必要です。参考: 消費者庁 特定継続的役務提供 / 公正取引委員会 フリーランス法
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