「オンライン講座 始め方」で調べている方へ
このサイトは、オンライン講座・コーチング・コンサルティングを始める個人事業主向けに、開業時に見落としやすい契約と販売表示を説明します。講座内容だけでなく、申込者に何を約束し、いつ契約が成立し、どの書面を渡すのかを事業の流れに沿って整えます。
オンライン講座も対象になる? 特定継続的役務提供の入口
「オンライン講座」という名称だけで特定商取引法の指定役務になるわけではありません。一方、オンライン提供だから対象外とも限りません。語学・学習塾・パソコン教室等の指定されたサービスに当たり、期間・金額の基準を超えるかを確認します。
とくに「起業コーチング」「副業スクール」「カウンセリング」は名称だけでは判定できません。例えば、英会話を教えるコーチングは語学教室に該当する可能性がある一方、一般的な起業相談が直ちに指定7業種になるわけではありません。実際のカリキュラム、指導の中心、契約書・広告の表示を見ます。
このサイトで確認できること
実務で見落としやすい契約設計
講座の提供形態は、録画動画・ライブ配信・PDF教材・材料キット郵送の組み合わせがよくあります。提供開始日や視聴期限、ライブ欠席時の扱い、教材の発送、質問対応の範囲を具体化しましょう。分割払いでは、月謝制・総額を分割して払う方式・自動更新を分け、総額・回数・各回金額・期日・手数料の有無を案内します。
また、18歳未満は法定代理人の事前同意を条件にする、事業者の承諾時点で契約成立とする、成果・収益を保証しない、外部プラットフォーム障害時の連絡や代替措置を定めるなど、実際の運営に沿った規約が必要です。教材の知的財産権、提供期間の終期、規約変更の周知方法も明確にします。
準備の全体像
外部講師・スタッフへの委託も一緒に設計
講師に講義を委託するなら、業務範囲・講義日・準備や報告の対価・キャンセル・教材の著作権・録画と肖像利用・受講者情報の取扱い・再委託・契約終了後の引継ぎを定めます。「業務委託」という契約名だけで雇用関係かどうかは決まりません。実際の指揮命令や勤務時間・場所の拘束なども確認します。
関連資料: 消費者庁 特定継続的役務提供 / 消費者庁 通信販売Q&A / 公正取引委員会 フリーランス法
特定継続的役務提供の基準を確認する
指定7業種に役務内容が該当し、期間と総額の両方が基準を超えると対象になり得ます。講座名やオンライン提供だけでは決まりません。
総額は入会金、授業料、教材等の関連費用を含めて検討します。たとえば架空の英会話コーチングが3か月・18万円で毎週語学指導を行うなら、語学教室に当たるかを確認します。6か月・33万円の起業相談は、金額だけで指定業種になるわけではありません。実際に何を教えるかが重要です。
クーリング・オフは申込みのきっかけから判定
概要書面・契約書面と赤枠・赤字
特定継続的役務に当たる場合、契約前に概要書面、契約後すみやかに契約書面を交付します。事業者情報、役務内容、関連商品、総額と支払条件、期間、クーリング・オフ、中途解約、特約などを記載し、契約書面には契約日なども記載します。法定の注意事項は赤枠内の赤字で示し、8ポイント以上など書面様式の要件も確認します。
必須事項や表示要件に不備があれば、適法な書面と認められず、クーリング・オフ期間がまだ進んでいないと評価されるリスクがあります。PDF送信日だけで期間終了を判断せず、交付内容・受領日を記録します。
クーリング・オフと中途解約の精算は別
| 解除の種類 | 計算 | 精算例 |
|---|---|---|
| 適法書面受領後8日内 | 受領済み金銭を全額返還。提供済み12万円や違約金を控除しない | 36万円支払済なら36万円返金 |
| 8日経過後の中途解約 | 提供済み12万円 + min(5万円, 残額24万円×20%=4.8万円) | 精算上限16.8万円。支払済なら返金計算例19.2万円 |
| 役務開始前の中途解約 | 語学教室の上限15,000円 | 受領額から上限内で精算 |
語学教室に該当する架空例。別の指定業種では上限が異なります。提供済み役務の対価は契約・提供実績に沿って算定します。
外部講師の業務委託契約に入れること
講義範囲・日時・準備や報告・質問対応、報酬単価と支払期日、キャンセル、教材や録画の著作権・利用許諾、講師の氏名・肖像・音声の利用、受講者情報の守秘と安全管理、再委託、終了時の教材やアカウント引継ぎを定めます。フリーランス法の対象取引なら、業務内容・報酬・支払期日等の取引条件を直ちに書面または電磁的方法で明示します。「委託」と契約書に書いただけでは雇用かどうかは決まらず、指揮命令や稼働時間・場所の拘束等の実態も確認します。